臨床メモ
ストレスとプロラクチン分泌
佐藤 直樹
1
1帝京大学医学部産科婦人科学教室
pp.404
発行日 1977年5月10日
Published Date 1977/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205614
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古くから乳汁漏をきたす疾患としてChiari-Frommel症候群,あるいは下重体腫瘍等が知られており,また妊婦,産褥授乳婦人には生理的状態での高プロラクチン血症を伴うものとして,知られている。
最近のRadioimmunoassay法の進歩により,血中あるいは下垂体中のプロラクチンが測定できるようになり,プロラクチン分泌の中枢分泌調節機序にはカテコールアミンの増減が関与していることが示唆されている。一方,ラット等の動物ではプロラクチン分泌に血中エストロゲン濃度が重要な役割を持っていることは古くから知られているが,人間の場合でもエストロゲンが高い時に,プロラクチン血中濃度の上昇が見られ,エストロゲンとプロラクチンの相関が考えられ,プロラクチンの分泌調節には下垂体性ゴナドトロピンと同様にエストロゲンが関与していることが示唆されている。
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