トピックス
婦人の卵巣のX染色体喪失と老化
広井 正彦
1
1山形大学産科婦人科学
pp.466
発行日 1976年6月10日
Published Date 1976/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205432
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哺乳動物の組織にみられる老化の現象は最近注目され,酵素,栄養,免疫,遣伝子の領域よりも広範囲に検討されてきている。一方,人の卵巣における老化は,婦人の閉経にみるごとく明らかであるが,また,高年齢出産者の新生児にはDown症候群,Edwards症候群,Patau症候群のごとく,染色体異常をみる症候群が多頻度にみられることからも,老化が生物学的にいろいろの変化を起こしていることが推察される。
すでにCourt-Brownら1)は,人間の体細胞の染色体異数性に関係したデーターを集積したが,老婦人では血球にX染色体が減少し,老年男子ではY染色体が減少することを認めた。婦人でみると,XO細胞は55歳の年齢で4.5%にみられるといわれるが,この頻度についても報告者により,まちまちである。
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