疾患の病態と治療 卵巣とその周辺疾患・Ⅰ
重症排卵障害の分類と管理
仲野 良介
1
,
鷲尾 元夫
2
Ryosuke Nakano
1
,
Motoo Washio
2
1神戸大学医学部産科婦人科学教室
2国立明石病院産婦人科
pp.379-385
発行日 1976年5月10日
Published Date 1976/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205418
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排卵の主役を演ずる卵巣は,排卵現象においてきわめて重要な位置にあり,視床下部や下垂体に比べ,比較的容易に,形態学的な所見が得られる。しかも,無排卵症の内分泌環境を把握する手段としての卵巣組織学的所見は,一定期間の下垂体性ゴナドトロピンや性ステロイドホルモンの測定によつては到底不可能な無排卵症婦人個々の現在までの性周期の軌跡を,部分的にしろ,われわれに示唆してくれるものである。
また,卵巣の2大機能の一つであるfolliclogenic functionは無排卵症のごとき排卵現象の欠如せる状態では知る方法がほとんどなく,特に重症な排卵障害婦人では卵巣生検によつてはじめて,そのfolliculogenic functionを的確に知ることができるといつてよいであろう。
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