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向精神薬と胎児奇形
広井 正彦
1
1山形大学産科婦人科
pp.157
発行日 1976年2月10日
Published Date 1976/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205373
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1950年以来,非バルビツレート系の精神安定剤が合成されてから,産婦人科領域においても,婦人の不安や不快な不定愁訴などの解消に用いられ,すぐれた効果を発揮している。しかし,これらの薬剤が妊娠中の婦人に投与された場合,非妊時と異なり胎児の発育過程に障害がないかという点について余り知られておらず,とくに人の妊娠中の服用が胎児に対して真に安全であるか必ずしもはつきりしていなかつた。
この点につき,近年,Milkovich1)(1974)は重症の先天奇形をもつ生産児の母親につき,妊娠中に精神安定剤を内服したか否かおよびその服用時期について調査し,妊娠初期とくに妊娠第42日目までにmeproba—mateを服用したもの12.1%,chlor—diazepoxide内服例が11.4%あつたにもかかわらず,他の薬剤を内服したもの4.6%,何の薬剤も内服しなかつたもの2.6%と,meprobamate,chlordiazepoxide内服例に高率の奇形,とくに心血管系の異常を認めたとし,向精神薬と胎児奇形との関連性を指摘している。
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