特集 産婦人科プリンシプル
産科編
奇形ならびに胎児発育異常
武田 佳彦
1
Yoshihiko Takeda
1
1岡山大学医学部産科婦人科学教室
pp.737-741
発行日 1973年9月10日
Published Date 1973/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204874
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奇形あるいは胎児発育異常は妊婦管理が向上するにつれて,実数はともかく周産期死亡などに占める比重が増大し,母子管理の上で注目されている。またその要因については分子生物学の分野で遺伝情報の機構についての解明が進むにつれてきわめて高次元の基礎的検討が行なわれている一方,臨床面でも公害などに伴う環境因子の追求がはじめられている。
また純粋に産科学の立場から見ても,従来は自然陶汰により出生前に胎児死亡をおこしたり,あるいは流早産に終ることが多かつたが,不妊症,不育症に対する治療の進歩をはじめ,周産期医学の飛躍的な向上により,いわゆるhandicaped babyの子宮内発育,あるいは新生児期の適応が大幅に改善され,一般臨床でも奇形発生の要因についての理解が強く要求されている現況である。
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