今月の臨床 妊婦の糖尿病マネジメント
妊婦・胎児への影響
2.胎児奇形
岩崎 克彦
1
1東海大学医学部産婦人科
pp.160-161
発行日 1996年2月10日
Published Date 1996/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902414
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糖尿病合併妊婦からの先天異常の出産は,その程度の差こそあれ約5%であるが,対照群と比べ,数倍の高率である.古くは,その部族の半数近くが糖尿病となる,アメリカ,アリゾナのピマインディアンの調査にみられるごとく,25歳以前に発症した母親からは,38%の高率で奇形が生まれるといった,驚くべき報告もある(Comess LJら,1969).また,糖尿病合併妊娠に特異的とされた奇形として,caudal regression(またはdysplasia)syndromeが指摘された時代もあった(Pender—sen J 1967, Kucera J 1971など.現在は,糖尿病の催奇形性は,臓器特異性はないとされている).今日の進んだ糖尿病管理のもとでも,先天異常の発生はけっして低下していない.本稿では,その実情を予防に関してまとめてみたい.
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