疾患の病態と治療 感染症--最近の動き
周産期感染症の臨床と治療の問題点
高田 道夫
1
Michio Takada
1
1順天堂大学医学部産科婦人科学教室
pp.111-116
発行日 1976年2月10日
Published Date 1976/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205363
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妊娠,分娩,産褥を通じて母体に多大の影響を与えるばかりでなく,時には直接または間接的に胎児・新生児の死亡につながる周産期の感染症は化学療法の発展,消毒法の進歩,妊産婦衛生管理の徹底,婦人の衛生知識の向上などにより重症患者をみる機会は少なくなり,周産期感染症がそうしばしば発生するようではその医療施設自体の管理状況が問題視されるような時代へと移行しつつある。
それだけに近年変貌しつつある周産期感染症の成立過程を熟知してその予防に努め,治療に当つては起因菌の変遷,臨床病態の最近の傾向を把握して進歩した化学療法を的確かつ充分に活用して大事に至らないように心がけることが必要であるが,一方において抗生剤のもつ毒性,母体の諸条件に起因する副作用,さらに胎児への影響にも注目しなくてはならない。
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