特集 産婦人科手術のポイント
V.手術手技--婦人科
Emmet手術
福島 務
1
1福島県立医科大
pp.960-961
発行日 1975年12月10日
Published Date 1975/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205292
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頸管縫合術(Emmet手術)
Emmetにより記載された陣旧性頸管裂傷の形成術である。今日では,稀に流早産の原因が頸管裂傷と思われるものに峡部縫縮術とともに施行されることがあるのみで,もはや,歴史的な意義しかないといつてよかろう。それは現在の陣旧性頸管裂傷の治療法は焼灼,円錐切除,頸部切断術などによつて,完全にとつて代られたからである。
陣旧性頸管裂傷は分娩時頸管裂傷の縫合不全,あるいは,縫合せず放置された場合に生ずるが,頸管の瘢痕化,外翻とビラン,時には頸管の真一文字の開大がみられ,頸部は不整形に膨隆する。頸管粘液の増量と感染があるので帯下を主訴とし,また習慣性晩期流産,早産の原因と考えられている。しかし,帯下に対しては,腟洗,あるいは焼灼,頸管部も含む円錐切除がより有効で,流早産予防には簡単な,かつ分娩に支障のないような縫縮術が汎用され,この手術は意味を失いつつある。
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