指標
Computerised axial Tomographyによる卵巣腫瘍の診断
福島 務
1
,
加藤 敬三
1
,
武市 和之
1
,
小野 聡
1
,
大沢 正司
2
Tsutomu Fukushima
1
,
Shoji Osawa
2
1福島県立医科大学産科婦人科学教室
2会津中央病院産科婦人科
pp.287-295
発行日 1977年4月10日
Published Date 1977/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205593
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最近の産婦人科領域における診断法は各種ME,RIAの導入により進歩にめざましいものがあるが,骨盤内臓器の診断,とくに卵巣については他の器官(消化管・泌尿器・卵管・子宮)のような体外開口部をもたないので,HSG,PAG,腹腔鏡,さらに穿刺液の細胞診などがあるものの,それらは間接的か,あるいはある程度の腫瘍増大や進行癌に対象が限られている。しかも診断のアプローチにおいても患者に少なからず危険性と苦痛を与えるので,診断信頼性とともに診断法としての価値はいまだしの感があり,よりよい優秀な診断法の開発がのぞまれている。
最近,諸橋らの階調性超音波断層法による卵巣腫瘍の診断がかなり良好の成績を得ているようである。われわれは最近開発された全身用コンピューター・トモグラフィ(デルタスキャナー) Com—puterised Tomography (Delta Scanner)(図1)を卵巣腫瘍の診断に用いたが,これは非観血的かつ,迅速な客観的診断法が可能で,きわめて信頼性の高い診断が得られたので,その実際について2,3紹介する。
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