年間テーマ--診断から治療へ 腫瘍の転移
腫瘍転移の成立機構
岸野 泰雄
1
Yasuo Kishino
1
1徳島大学医学部第一病理学教室
pp.647-652
発行日 1975年9月10日
Published Date 1975/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205222
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転移こそ悪性腫瘍のひとつの大きな特徴であり,その有無が癌患者の予後を左右する大きな因子となる。転移に対し適切な対策を講ずるためにはまずその成立機構を明らかにする必要がある。転移成立の過程として,原発巣からの癌細胞の遊離・浸潤,血管とかリンパ管などへの侵入・移動,そして他の遠隔臓器への着床・増殖という一連の段階が考えられねばならないが,ここではそれらの中のはじめの段階としてみられる癌細胞の遊離・浸潤性と最終段階の標的臓器への着床・増殖について,リンパ行性と血行性の両面から検討してみたい。
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