疾患の病態と治療 女性のバイオリズムとその異常
女性生殖機構におけるバイオリズム—その成立から消失まで
五十嵐 正雄
1
,
矢崎 克巳
1
Masao Igarashi
1
,
Katsumi Yazaki
1
1群馬大学医学部産科婦人科学教室
pp.775-782
発行日 1977年9月10日
Published Date 1977/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205675
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Ⅰ.女性生殖機構におけるバイオリズムの種類
女性の生殖機構においてはいろいろの種類のバイオリズムが関与し,複雑な機構を形成している。その中,かなりよく研究されているリズムもあれば,いまだ研究のあまりすすんでいないリズムもある。
バイオリズムの研究は,雌性動物における研究から,多くの示唆と教訓をえている。例えば最近のジャーナリズム,マスコミの話題になっているパンダの生殖は,年間を通じて4月下旬から5月下旬にかけての約2週間だけの恋の季節に限られている。女性ではパンダと異なって,恋の季節は2週間に限定されてはいない。しかし1年中で人間の生殖能力は全く変化しないかというと,パンダほど著明ではないにしても季節的変動が存在することも確かである(表1)。
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