原著
頸癌に対するわれわれの行なつているBleomycin-Infusion Therapyの手技
東条 伸平
1
,
松浦 役児
1
,
三浦 徹
1
,
奥 忠昭
1
,
長谷川 和男
1
Shimpei Tojo
1
1神戸大学医学部産科婦人科学教室
pp.151-157
発行日 1974年2月10日
Published Date 1974/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205002
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制癌剤の動脈内注入法(Intra-arterial infusion the—rapy以下動注法と略す)は1950年にKlopp1)が10例の重症悪性腫瘍患者に動脈内ヘポリエチレン管を挿入してその分布領域である病巣部へ直接Nitrogen mustardを投与し,腫瘍の縮少を認めたと報告したのに始まる。わが国においては1956年白羽16)によるNitrominおよびMMCを用いた報告が最初であり,1960年Sullivanら2)は灌流用ポンプを用いて持続動注法を行ない,同時に拮抗剤Citrovorum factor (Leucovorin)を筋注し副作用の軽減をはかるとともに局所の治療効果を上げた。その後,動注法は技術的な工夫や薬剤の開発,さらに適応の拡大などによつて各科領域に広く用いられるようになつてきた。
われわれは頸癌進行例に対して最近梅沢によつて開発され扁平上皮癌に特異的に効果のあるといわれるBleomycinの内腸骨動脈内注入法を行ない若干の知見を得ているが,ここではわれわれの動注法の手技とその問題点について述べる。
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