薬の臨床
Bleomycin局所注射による子宮頸癌の治療成績(第2報)—放射線併用療法について
武内 久仁生
1
,
三浦 徹
1
,
吉田 利治
1
,
古結 一郎
1
,
谷 立夫
1
Kunio Takeuchi
1
1兵庫県立病院がんセンター婦人科
pp.813-822
発行日 1972年9月10日
Published Date 1972/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204680
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緒言
新抗生物質剤Bleomycin (BLM)は1962年梅沢らにより発見され,抗腫瘍作用もあることが判明し,市川らにより臨床研究が行なわれて以来,各種扁平上皮癌に対し秀れた効果のあることが報告されている。放射線治療の対象となる疾患もBLMと同様に扁平上皮癌に多く,この点BLMは従来の抗腫瘍剤と異なり造血臓器への障害のない点より考え,放射線との併用療法には適している薬剤と思われる。
放射線増感剤としては,5—FU,BUdRなどが臨床面で使われているが,BLMの放射線増感作用については未だ明らかではないが,ある程度の効果が得られるのではないかと考えられる。BLMの治療効果についてはすでに多くの報告がなされているが,放射線との同時併用症例は未だ少ない。
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