臨床メモ
頸管粘液検査による胎児発育異常の診断
竹内 久弥
1
1順天堂大学産婦人科
pp.958
発行日 1973年11月10日
Published Date 1973/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204940
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頸管粘液が内分泌環境を反映してその性状を変えることは良く知られた事実である。そこで,これを胎児—胎盤系の内分泌状態を知るための指標として利用する試みがあり,すでに羊歯状結晶形成を認め得る妊娠初期婦人に流産頻度の高いことが報告されている。
Macdonald (J.Obstet.Gynaec.Brit.Cwlth.79,1087,1972)は同様の観点から胎児発育と頸管粘液羊歯状結晶形成との関係を見て面白い結果を得ている。すなわち,年齢や前回の妊娠歴から今回の胎児発育に懸念の持たれた妊婦128名を対象とし,妊娠17週から36週までは週2回,その前後は週1回,定期的に診察し,同時に頸管粘液性状,腟スメアおよび24時間蓄尿の全エストロゲン量定量を行なつて,これらの所見とSFD児発生の関係を検討したのである。
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