特集 不妊症の診断
腟内容および頸管粘液の異常
高嶋 達夫
1
Tatsuo Takashima
1
1国立小児病院婦人科
pp.473-479
発行日 1970年6月10日
Published Date 1970/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204219
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
射精された男性の精液は腟内において初めて腟内容と頸管粘液に接触する。この精液の中の精子通過路である,排卵時期の腟内容および頸管粘液に,化学的,物理的,器質的な異常があれば,特に精液検査の結果,精液の性状が標準以下の場合は重要な不妊の原因となることは論をまたない。したがつて,比較的に検査としても簡単に行ない,診断もつけ易い不妊症の診断法として,腟内容および頸管粘液の異常の有無は最小限に必ず行なわねばならぬ検査である。腟内容と頸管粘液は表裏一体で密接な関係があるが,腟内容および頸管粘液の異常2つに分けて述べる。
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.