Japanese
English
臨床研究
子宮頸管粘液に関する考察
Some considerations on cervical mucus
山上 徳司
1
,
征矢 嘉行
1
,
鈴木 一男
1
,
熊坂 高弘
1
Tokuji Yamagami
1
1東京医科歯科大学産婦人科学教室
pp.13-19
発行日 1961年1月10日
Published Date 1961/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202346
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Ⅰ.緒言
子宮頚管内膜が子宮内膜と同様に周期的変化を来たすことは既に報告されたが,Pommerenke(1946)は頚管内に分泌される粘液について,理学的,生理学的,化学的観察を行つた結果,頚管粘液(以下C.M.と略記する)が周期的にその性状を変化し,排卵期に最も増量し,水分含有量も最大となり透明度が増加することを認めた。Papanicolaou (1946)はC.M.に異様な結晶形成が現われることを見出しRydberg (1948)はこの結晶は塩化ナトリウムに依るものであり,排卵期に特有なものであると報じた。
Campos (1950,1951)は排卵性,無排卵性周期,更年期及び妊娠時のC.M.結晶形成について発表を行つた。Grünberger (1952)は排卵期に厚い結晶像,即ち結晶核なるものが出現することを報告した。本邦に於いても安藤(1954),松本(1955),五十嵐(1954,1956),豊島(1954,1956),吹田(1953),田中(1954),原田(1954),彦坂(1954)等多数の報告がある。
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