Japanese
English
展望
思春期の概月周期病相—周期性精神病と周期性感情病
Near-monthly Episodes in Puberty: periodic psychosis and periodic depression
阿部 和彦
1
,
太田 幹夫
1
Kazuhiko ABE
1
,
Mikio OHTA
1
1産業医科大学精神医学教室
1Department of Psychiatry, University of Occupational and Environmental Health
キーワード:
Periodic psychosis
,
Adolescents
,
Nosology
,
Diagnosis
,
Prophylaxis
Keyword:
Periodic psychosis
,
Adolescents
,
Nosology
,
Diagnosis
,
Prophylaxis
pp.230-240
発行日 1993年3月15日
Published Date 1993/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903408
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思春期のうつ状態には1カ月に近い周期(20〜45日間隔,概月周期と略す)で繰り返す型がある。うつ状態は多くの場合1週間くらい,長くても2週間以内で,病相と病相の間は以前の元気な状態に戻る。症状には個人差があり,昏迷を呈して物を言わなくなり,食事もせず不眠を伴う場合もあるが,より軽い状態では体がだるく,考えがまとまらないと訴え,母親の側を離れず,食欲と睡眠が減少する。被害念慮,関係念慮を示唆する発言や行動を伴う症例も少なくなく,そのような症例は「周期性精神病」として報告されることが多い。また,上記のようなうつ状態を周期的に繰り返した後に躁状態が出現する症例や,錯乱を伴った躁状態がはじめから周期的に出現している症例もあり,後者も「周期性精神病」として報告されている。本稿では周期性精神病の症例をも含め,思春期に概月周期で出現する(2週間以内の)病相について展望し,筆者らの考えを述べる。
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