特集 日常診療上の狙いと盲点・II
他科領域と関連した産婦人科内分泌疾患
小川 重男
1
Shigeo Ogawa
1
1川崎医科大学産婦人科学教室
pp.419-424
発行日 1973年5月10日
Published Date 1973/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204827
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産婦人科診療の実際で,内分泌学的原因による疾患を取扱う場合,産婦人科学の立場に立つた知識だけで正しい診断と治療ができる疾患がほとんどではあるが,時には,産婦人科医の立場だけからでなく,より広く全身諸臓器の機能の分析を行なわないと正しい診断と治療が行なえないこともある。1例をあげれば,続発性無月経を訴えている場合に間脳下垂体卵巣系の異常のほかに甲状腺機能低下症についても忘れてはならず,続発性無月経と肥胖が見られたときに,いわゆるStein—Leventhal症候群のほかに副腎皮質腫瘍についても考慮しなければならない。
本稿では,以上のような,通常の産婦人科領域からだけの分析では,時として正しい診断と治療が得られにくく,他臓器の機能と関連して取扱かわなければならない,いくつかの産婦人科内分泌疾患について述べる。
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