臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集
XIII.細胞診
185.産婦人科領域の細胞診—内分泌細胞診
野沢 志朗
1
,
栗原 操寿
1
,
新井 宏治
1
Shiro Nozawa
1
,
Soju Kurihara
1
,
Hiroharu Arai
1
1慶応義塾大学医学部・産婦人科
pp.2554-2556
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219506
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腟は性ステロイドホルモンの代表的標的器官の一つであり,estrogen,progesterone,androgenは腟扁平上皮の増殖,成熟をもたらす.これらのホルモンの中でestrogenのみが中層細胞から表層細胞へ成熟させる作用をもつので,腟扁平上皮の表層を擦過し,それに含まれる各層の細胞の割合を検討すれば,およその内分泌動態を推定することが可能になる.
もちろん,内分泌細胞診はRIAのようなホルモン測定法に比較すると定量性に欠け,また明確に割り切れない面も多々あるが,検査法としては安価で簡単迅速であり,かつ患者への侵襲もなく反復施行が可能であるので,内分泌検査法の一つとして日常の臨床に利用されている.
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