症例
原因究明に困難をきわめた妊婦(妊娠7ヵ月,子宮筋腫合併)の腹腔内出血の1例
長瀬 行之
1
,
吉井 幸洋
1
,
荻野 豊
1
,
堀江 彰
1
Koshi Nagase
1
1自衛隊中央病院産婦人科
pp.341-346
発行日 1973年4月10日
Published Date 1973/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204814
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腹腔内出血は産婦人科領域でしばしば発生する合併症であるが,妊婦に発生した場合,卵管破裂のように妊娠に由来するものは診断が比較的容易であるのに対し,他疾患に由来するものでは原因を究明することが困難である。今回私どもは,子宮筋腫を合併した妊婦(妊娠7ヵ月)に大量の腹腔内出血が発生した1例を経験し,診断上種々の曲折を経て,結局Porro氏手術を行なつて患者を救命し得たので,その経過概要を簡単に報告し,あわせて腹腔内出血について考察を試みることとする。
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