連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール
子宮筋腫を合併した妊娠子宮の骨盤腔内嵌頓の1例
井上 裕美
1
,
鈴木 志帆
1
,
市田 知之
1
1湘南鎌倉総合病院
pp.1026-1031
発行日 2012年10月10日
Published Date 2012/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103178
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
症例
患者 36歳,初産婦.
主訴 腹痛.
既往歴
2~3年前から子宮筋腫を指摘されている.妊娠前のMRI検査は後屈と左子宮壁内の筋腫を認めている(図1).
現病歴
初診時は,最終月経および経腟超音波検査から妊娠7週1日であった.子宮の左壁に9 cmのサイズの子宮筋腫を認めた(図1,2).
妊娠8週に入り,左側腹部から腰背部にかけての疼痛が出現した.左の腎盂にやや拡張像があった.子宮筋腫による圧迫と考えられ,右側臥位か四つん這いの姿勢を1日数回はとるようにアドバイスし,その後,症状は10日ほどで改善した.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.