カラーグラフ 臨床家のための病理学・15
子宮疾患・Ⅵ
滝 一郎
1
1九州大学医学部産婦人科
pp.274-275
発行日 1973年4月10日
Published Date 1973/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204799
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癌細胞が基底膜を破壊して間質内にinvadeするとinvasive cancerになる。侵入癌,侵潤癌,浸潤癌などと呼ばれているが,用語統一はまだなされていない。invasionの程度は微小なものから,日常一般に遭遇するようなものまでいろいろである。今回は微小なものを中心として組織像の解析を試みたい。
基底膜,basement membraneは,最近の電子顕微鏡所見によると,子宮頸部においては,基底細胞の底部の細胞膜下にある300A位の幅をもつ構造で,電子密度は中等度,細線維様に見えることがある。光学顕微鏡ではPAS染色で染まる膜様構造,好銀線維の網のある部分として認識される。
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