カラーグラフ 臨床家のための病理学・21
子宮疾患・XII
滝 一郎
1
1九州大学医学部産婦人科
pp.1014-1015
発行日 1973年12月10日
Published Date 1973/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204963
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子宮内膜にはポリプが発生する。ポリプ様の筋腫,子宮内膜増殖,内膜癌とことなり,正常の内膜に近い構造を有している。大小さまざまで,また茎の長短,太細にも差があり,時には頸管内,あるいは腟内に出現する。ポリプの内膜は,一般の内膜と同様な周期性変化をするものと,しないものとに分類されている。後者が多く,増殖期像に似た形態を維持しているのが通例である。時には腺腫様構造をとり,内膜腺癌とまぎらわしいこともあるので注意を要する。ポリプが悪化することは少いとされている。茎の細長なものでは,血行障害により,うつ血,出血,浮腫,腺上皮の変性,間質の細胞浸潤などが生じ易い。
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