研究
急性循環障害時のラット胎盤アルカリフォスファターゼについて
青葉 久夫
1
,
会田 邦夫
1
,
高橋 克幸
2
,
平野 睦男
2
Hisao Aoba
1
,
Kunio Aita
1
,
Katsuyuti Tatahashi
2
,
Mutsuo Hirano
2
1陸上自衛隊仙台地区病院産婦人科
2東北大学医学部産婦人科学教室
pp.801-803
発行日 1972年9月10日
Published Date 1972/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204677
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抄録
胎盤機能の1指標として近年妊婦血清耐熱性アルカリフォスファターゼの測定法が開発されたが胎盤と本酵素との病態生理学的な関係を検討した報告はない。著者らは妊娠ラットで子宮胎盤系に急性循環障害を起こし人工的に胎盤組織の細胞膜透過性を変化させこのときの胎盤組織のアルカリフォスファターゼ活性の検討を試みた。臍帯結紮による胎仔死亡では胎盤の酵素活性に著変はなかつたが子宮血管結紮による急性循環障害では著しく酵素活性が低下した。このことは急性循環障害のため胎盤組織の細胞膜透過性が亢進し細胞外に酵素が逸脱したためと思われる。したがつて血清酵素活性が異常に高いことは細胞膜透過性の亢進を示唆するものであり血中酵素測定は胎盤機能を判断する上に有意義であることがわかつた。
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