今日の産婦人科
産婦人科臨床におけるHCGの動態
竹内 正七
1
,
広井 正彦
1
,
大竹 四郎
1
,
川越 慎之助
1
Shoshichi Takeuchi
1
1新潟大学医学部産科婦人科学教室
pp.137-145
発行日 1972年2月10日
Published Date 1972/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204562
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はじめに
絨毛組織から分泌されるゴナドトロピン(HCG)は妊婦および絨毛性腫瘍の患者血中に多量存在し,腎から尿中にも排泄されている。したがつて,血中あるいは尿中にHCGの存在することは体内に絨毛組織の存在することを意味し,このホルモンを測定することにより絨毛組織の機能状態をある程度推察することも可能であり,異常妊娠の診断や予後の判定あるいは絨毛性疾患の管理にも重要な意義を有している。
HCGの測定はこれまでもつぱらbioassayやHCG感作血球凝集阻止反応(HAIR)などのimmunoassayによつていたが,これらの測定法を用いては微量のHCG測定には感度の点からも困難なことが多かつた。1965年,Wildeら1)によりHCGの測定にもradioimmunoassay (RIA)が応用され,その後も諸家2)〜5)により検討された結果,最近では少量の資料を用いて抽出操作の必要もなく,微量のHCGも測定できるようになつている。
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