特集 不妊症の治療--最近の焦点
排卵障害の治療
倉智 敬一
1
Keiichi Kurachi
1
1大阪大学医学部産科婦人科学教室
pp.99-105
発行日 1972年2月10日
Published Date 1972/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204555
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はじめに
私たちの教室では昭和40年4月以来,婦人科内分泌外来が設けられ,ここで排卵障害に基づく不妊患者の診療が行なわれてきた。不妊を訴えて昭和45年度中に当科を受診した夫婦のうち,少なくとも基礎体温測定,子宮卵管造影術,精液検査の基本的常用検査をすませた174組の不妊因子を分析した結果は表1のようであつて,排卵障害と精液異常が多く,卵管因子がこれについでいる。
このうち,精液異常や卵管因子についてはこの特集に際し,他の筆者が記述されるので,筆者は排卵障害による不妊の治療を中心に,昭和40年以来満5年間の教室の治療成績を基として見解を述べたい。
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