薬の臨床
内部環境の恒常性におよぼす分娩の影響
土門 洋哉
1
,
石川 睦男
1
,
鷲塚 紀夫
1
,
椎名 美博
1
,
岡野 敬多
1
Hiroka Domon
1
1市立札幌病院産婦人科
pp.569-573
発行日 1971年6月10日
Published Date 1971/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204430
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緒言
分娩第I期の不安や精神的動揺の除去および和痛効果を期待してDiazepamは近年,広く産婦人科領域においても使用されてきた。
生体内部環境の恒常性とは,周知のごとく静的平衡ではなく動的平衡の状態であつて,それが生体にとつて必要なあるレベルに保たれるという意味であるが,この恒常性を保つ調節機構を自律神経系および内分泌系が密接に相関連して担つており,外部環境条件の変化に対応して動揺するとされている。一方,多大な労作を伴う分娩は肉体的にはもちろんのこと精神的ストレスを,特に初産婦では生体に多大に与え,生体の内部環境における動的平衡の振幅を高めることが当然予想される。
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