特集 術後合併症の治療
術後不定愁訴—卵巣摘出後のホルモン異常
足高 善雄
1
Yoshio Ashitaka
1
1大阪大学医学部産婦人科
pp.115-119
発行日 1971年2月10日
Published Date 1971/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204350
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まえがき
近年内分泌学の進歩,ことにsteroidhormoneの中でも,sexsteroidの簡易微定測定法が開発され,婦人科手術の場合両側卵巣摘出術すなわち手術去勢を実施したとき,卵巣から分泌されるホルモンの代償的補給によつて,その欠落症状の発現を比較的合理的とみられる予防と治療の実施によつて,卵巣欠落のため更年期障害に類する術後愁訴がきわめて適確に予防,治療されることが可能となつてきた。
若年,成熟期婦人の日常生活において,婦人の健康のシンボルともみられる月経周期を支配する卵巣が手術ことに子宮癌根治手術や卵巣腫瘍のために摘出術によつて比較的短時日で女性ホルモンのunbalanceがおこることはすでに知られた事実である。
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