特集 産婦人科診断--最近の焦点
絨毛性疾患—RadioimmunoassayとPelvic Angiography
松尾 健
1
,
三井 磐
1
,
末原 則幸
1
,
那須 健治
1
,
正田 常雄
1
,
谷沢 修
1
1大阪大学医学部産科婦人科学教室
pp.1053-1059
発行日 1970年12月10日
Published Date 1970/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204313
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1.Radioimmunoassay
絨毛性疾患の診断,治療経過の判定および予後の追跡に,尿中あるいは血中HCGの測定値が大きな指針となることは言うまでもない。HCGの測定法としては従来から用いられてきた生物学的測定法の他に新らしく血球凝集阻止反応hemagglutination inhibition (HAIR)が広く用いられるようになつた。しかしその測定感度は現在のところ1000IU/L程度であるため,それ以下のHCGを検出することができず,これらの反応が陰性化した後は待期的経過観察あるいは予防的治療に移る他はなかつた。
Radioimmunoassay(RIA)はこの空白を埋めてHCGの動態を正常LHレベル(100IU/L HCG eq.以下)にいたるまで測定可能であり,とくに治療効果の判定および予後のfollow upにきわめて有意義な測定法として注目されている。RIAについては1965年Wildeらがはじめて二重抗体法による方法を発表したが,現在われわれがルーチンに行なつている手技を付表に示した。本法は測定にほぼ1週間を要するので,さらに最近ではsolid phase法を用い臨床応用を容易にするように努めている。
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