臨床メモ
妊娠時X線診断の胎児およびその児に及ぼす影響
竹内 久弥
1
1順天堂大学医学部
pp.236
発行日 1970年3月10日
Published Date 1970/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204181
- 有料閲覧
- 文献概要
妊婦のX線診断が胎児への影響を考えて十分慎重に行なわれるべきであることについてはいうまでもなく,その際のX線許容量もすでに国際的に定められている。しかし日常診断において,X線撮影の必要性は増加する一方であり,しかも経験上,X線診断によつて奇形発生頻度が特に上昇したと思えないというのが大方の印象であろう。
妊婦のX線診断が普通では胎児に悪影響を及ぼしていないように見えたとしても,その胎児の生殖腺にはどうであろうか?動物実験では,卵母細胞がX線に非常に敏感であることが知られている。Johns Hopkins大学のMeyerら(Johns Hopkins:Med.J.,123,123,1969)は,この点を臨床例について検討した結果を報告している。
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.