特集 産婦人科
今日の焦点・Ⅱ
超音波による妊娠診断
竹内 久弥
1
Hisaya Takeuchi
1
1順天堂大学医学部産婦人科学教室
pp.1053-1060
発行日 1969年12月10日
Published Date 1969/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204132
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
妊娠の診断は免疫学的妊娠反応の登場により,かなり容易なものとなつたが,この反応は活動しつつある絨毛組織の存在はあらわしえても,胎児の存在を診断しうるものではない。教科書をひもとくまでもなく,妊娠の確診は胎児の証明によつて得られるものであり,これまでは妊娠後半期にならねば得難いものとされていた。妊娠の診断にあたり,できるだけ早期に確徴を得,胎児の生死,ひいては胎児の成育度までも知ることができれば臨床上非常に有益であることは論をまたない。
最近,超音波診断技術の発達に伴い,産科領域への応用も盛んとなり,上記の要求を満たすような診断法が相次いで登場しつつある。最も普及しているのは超音波ドップラー法であろうが,これ以外の超音波診断技術も妊娠の診断にはきわめて有用であり,これらを総合的に概説して,その問題点についても言及してみたい。
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.