Medical Electronics
新しい分娩監視装置—超音波ドップラー法による胎児心拍数連続記録法の開発
竹内 久弥
1
,
竹川 恒
1
,
内田 六郎
2
,
萩原 芳夫
2
,
佐藤 忠勇
2
Hisaya Takeuchi
1
,
Wataru Takegawa
1
,
Rokuro Uchida
2
,
Yoshio Hagiwara
2
,
Tadao Sato
2
1順天堂大学医学部産婦人科学教室
2日本無線医理学研究所
pp.417-422
発行日 1970年5月10日
Published Date 1970/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204210
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はじめに
妊娠中より分娩時を通して,胎児心拍を観察することは,単に胎児の生死の判定のためのみならず,心機能を知るためにも良い指標となる。特に分娩時における胎児心拍数(以下,心拍数と略す)の変化はfetal distressの良い表現の一つとして,従来より最も重要視されているものであり,しかも最近では,連続記録による心拍数図のパターンを陣痛との関連において解析することが必要であるとされている。
心拍数連続記録を行なうには,ME的手段に頼らざるを得ず,このために従来,胎児心電と胎児心音が使用されており,一般に分娩監視装置という名称のもとに数多くの記録装置が作られている。しかし,これらの装置が臨床的に十分活用されているか否かは疑問であり,その理由として,技術的困難さと心拍数図に対する理解度に問題があつたといえよう。MEによる分娩監視の実をあげるには,まず容易に,確実に心拍数図の得られる方法を開発することであるといつて過言ではない。
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