指標
超音波断層診断—最近の動向とその臨床応用
竹内 久彌
1
Hisaya Takeuchi
1
1順天堂大学医学部産婦人科学教室
pp.585-594
発行日 1979年8月10日
Published Date 1979/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206078
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初めて超音波による生体の映像化に成功したのはDussikであるといわれ,その報告が行なわれた1949年から今年はちょうど30年目にあたる。その間,超音波診断法は着実に発展し,普及を見ており,ことにわが産婦人科領域では現在,名実ともに日常診断法の一つになりつつあるといってよかろう。
1967年ころから超音波ドプラ胎児心拍検出装置が市販され初め,2〜3年という短期間に産科診察室の必需品となった経過はなお記憶に新しいところであるが,一昨年来の電子スキャン装置の普及ぶりもこれを思い出させるに十分なほどの,一種のブームといえる様相がみられる。1976年に電子スキャン装置の実用的普及型が登場したとき,筆者1)は産婦人科における超音波断層法の第2ラウンドがいよいよ開始されたことを述べた。それまで,その有用性は認められながらも,手技と装置の点から普及に難点のあった超音波断層法が,階調性断層法や高速走査法などのような技術的進歩により大きく前進し,ことに電子スキャン装置は超音波断層法の普及に大きく貢献すると考えられたからである。そして,現在その予想は適中し,超音波断層法がほぼ日常的に利用されるのに今後何年間も必要としないであろうと思われる現状にある。
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