特集 超音波診断—最近の進歩
超音波診断法のpitfall—原理面から注意すべきpitfallを主に
竹内 久彌
1
Hisaya Takeuchi
1
1順天堂大学医学部附属浦安病院産婦人科
pp.555-560
発行日 1989年6月10日
Published Date 1989/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208017
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最近の超音波診断装置の発達は著しく,得られる超音波画像の画質が格段に改善されたため,読影はきわめて容易なものとなってきている。しかも,装置を取り扱うために必要な多くの,主として電気的な条件の設定はほとんどすべて自動的に処理されるように作られており,われわれユーザーはプローブを検査したい場所に置くだけでよいくらいに進歩してしまった。そのため,ともすれば目の前に現われたエコーグラムが生体内の構造を全く誤りなく描出してくれているように思い込んでいることが少なくない。
言い換えれば,超音波診断の原理や基本的知識が全くなくても超音波診断が可能になったと思われるが,それは事実であろうか? 実際,そのように受け取られるほどの進歩があったればこそ超音波診断法が現在のように普及したともいい得るものではあるが,答えは残念ながら"ノー"である。
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