今月の臨床 胎児環境をチェックする
胎盤
1.胎盤老化の超音波画像診断
竹内 久彌
1
Hisaya Takeuchi
1
1順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院産婦人科
pp.1276-1277
発行日 1993年11月10日
Published Date 1993/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901497
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妊娠経過と胎盤超音波像
超音波断層像で胎盤を観察していると,とくに妊娠末期に至って画像上の変化の生ずるものがあることが1973年にWinsberg1)によって最初に報告された。続いてFisherら2)は胎盤像が妊娠初期から末期まで,継続的に変化するとし,とくに最後の3〜4週間に石灰化による強いエコーが出現すること,もし石灰化が早期に出現した場合は胎盤機能の低下を考慮すべきことなどを述べている。これらの報告は当時それほど普及していない装置で行われたものであったためか,大きな注目を浴びなかった。
ところが,1979年にGrannumら3)が当時の診断装置の主流であった手動接触走査方式の静止画像で,胎盤像が成熟に向かう変化としてGrade OからIIIまでの4種類に分類できるとし,胎児肺成熟度との相関を報告したため,一挙に関心を呼ぶに至った。その後,この報告を追試した報告は数多くあり,診断装置が電子走査方式のリアルタイム画像に代わっても同様の検討が続けられてきた。
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