研究
HMG投与による卵巣の形態的変化について—特に組織学的,組織化学的ならびに電子顕微鏡的研究
木村 隆
1
,
矢追 良正
1
,
熊坂 高弘
1
,
加藤 広英
1
,
西 望
1
,
藤井 久四郎
1
Takashi Kimura
1
1東京医科歯科大学医学部産婦人科学教室
pp.981-989
発行日 1969年11月10日
Published Date 1969/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204122
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
無排卵性不妊性に対し,従来PMS+HCG療法が主として行なわれてきたが,最近HMG(Hu-man Menopausal Gonadotrophin)が実用化されつつある。HMGは更年期以後の婦人尿から抽出,高度に精製されたgonadotrophinで,主としてFSH作用がある。PMSのごとくantihormon産生の恐れがなく,また婦人尿を原料とするところから大量生産が可能であり,今後,無排卵性不妊症治療に大きな貢献をするものと考えられる。
今回,基礎的検討としてHMGのattackpointとしての卵巣における機能形態学的変化をbioassayとの関連において,二,三の条件下で幼若メスマウスを用いて投与量と卵巣形態との関係,卵巣における3β-ol-dehydrogenaseおよびG-6-P dehy-drogenase活性の組織化学的証明,免疫学的立場からanti HCG血清+HMGによるLH作用の中和による卵巣組織の変化,電子顕微鏡による細胞レベルでの卵巣細胞の観察を行なつたので報告する。
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.