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antenatal clinicに来る妊婦の6〜19%にbacteriuriaがあり,やがて1/4は腎盂腎炎に移行するといわれる。最近では,その14〜63%が腎盂腎炎になるとされ注目をひいている。著者らは1962年以来,8,907妊婦につき尿の菌検査から,腎盂腎炎発生,新生児の未熟度・体重・胎児死亡などを精査した。388名(4.4%)にbacteriuriaあり,うち285名は定期に検査され,分娩,分娩後も著者らのもとで行なわれた。菌の94%はE. coli。285名に治療を行ない,210名(75%)は成功した。75名はさらに第2コースの治療を行ない,45名(60%)が治癒した。残る30名は失敗で,bacteriuriaをもつたまま分娩まで進んだ。第1回成功をgroup Ⅰ,失敗group Ⅱ,第2コースの治療成功group ⅡA,失敗group ⅡBと区別してみた。bacteriuriaを初めて見い出したとき,33%はasymptomatic pyelonephritisであつた。しかし,285名の治療者では,8名(2.8%)のみがpyeloであつたにすぎない。治療をうけなかつた86bacteriuric pregnantsからは23.3%のpyeloが発生した。group Ⅰからは1.4%のpyelo,group Ⅱからは6.6%のpyelo発生。分娩は感染なき正常妊婦507,group Ⅰ201,group ⅡA40,ⅡB25件。分娩時体重は正常71b 6OZ,groupⅠ 71b 3OZ,ⅡA 71bO,ⅡB61b 5OZ。未熟児は正常28件,Ⅰ11件,ⅡA3件,ⅡB5件(%にすると,それぞれ5.5%,5.4%,7.5%および20%)。正常とgroup Ⅱとの差はp<0.001で有意。未熟児の率も正常5.5%,Ⅱ12.3%で0.3>p>0.2で有意とはいえないが差は明らかであつた。胎児死亡率はgroup Ⅰ5件(2.4%),group Ⅱ6件(8.5%)で有意差。ⅡAとⅡBとでは0.05>p>0.02で有意差。早くbacteriuriaを発見し治療する必要性がよくわかろう。
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