トピックス
子宮全摘による卵巣の組織学的変化
広井 正彦
1
1山形大学医学部産科婦人科
pp.298
発行日 1987年5月10日
Published Date 1987/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207581
- 有料閲覧
- 文献概要
子宮全摘や卵管結紮後に更年期障害様の症状や性機能の障害を訴える例も少なく1,2),これは手術による解剖学的な血行障害にもとづく卵巣機能の低下によるものか,手術後にみられる無月経や不妊という心理的な要因によるものかは,治療する上で重要なことである。
そこでSouzaら3)は症状があり子宮筋腫で子宮全摘をする35〜42歳,平均40.5歳の婦人25例について子宮摘出以前および手術後12カ月で腹腔鏡下で卵巣両側のbiopsyを施行し,病理学者に何らのデータも見せずに白膜の肥厚,間質細胞の濃度,原始卵胞か発育卵胞の遺残,閉鎖卵胞の数,卵胞嚢胞の数,黄体,白体の数などを組織的に検査を依頼した。同時に血中のestradiol, estrone, pro—gesterone, androstenedione, testo—sterone, cortisol, dehydroepiandro—sterne sulfate, prolactinを午前7時30分に採血て測定した。
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.