特集 分娩時出血--メカニズムとその対策
血液疾患と分娩
鈴木 正彦
1
Masahiko Suzuki
1
1新潟大学医学部産科婦人科学教室
pp.777-782
発行日 1969年9月10日
Published Date 1969/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204093
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はじめに
妊娠,分娩,産褥の母体の血液性状が,正常非妊婦のそれと異なること1,2)は今さらいうまでもないが,産婦人科医はこの妊産褥婦に種々の血液疾患が合併した場合,妊娠,分娩,産褥が血液疾患に与える影響,逆に血液疾患が妊娠,分娩,産褥に与える影響について十分知識をもつていなければならない。
著者は新潟大学医学部産科婦人科学教室において,昭和35年度より昭和43年8月現在に至る最近8年間に経験した,表1のような血液疾患と分娩について,主として分娩時出血に焦点を合わせて述べてみたい。ただここでは,例数がそれほど多くないこと,疾患に対する興味の持ち方,積極的検索が時代により多少異なることなどのため,当教室における頻度についてはふれないことにする。
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