特集 分娩時出血--メカニズムとその対策
血液疾患と分娩
寺尾 俊彦
1
Toshihiko Terao
1
1名古屋大学医学部産科婦人科学教室
pp.783-790
発行日 1969年9月10日
Published Date 1969/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204094
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はじめに
血液病患者が妊娠し,分娩する場合には,血液学的にも産科学的にも,幾多の問題点を含んでいる。妊娠によつて血液疾患が増悪するかどうか,妊娠を維持すべきか,中絶すべきか,また,妊娠を維持するならば,どのように妊娠分娩を管理していくか,ことに分娩に際しての出血対策や分娩方法,また新生児の血液疾患の有無など,われわれ産科医自身で取り扱つていかねばならない問題が多々ある。
最近,われわれの教室でも,血液疾患を合併せる妊娠例を,各種経験しているので,まずこれらの症例を御紹介し,次いでその問題について論じてみたいと思う。
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