連載 OBSTETRIC NEWS
頸管短縮と頸管縫縮術
武久 徹
pp.1530-1531
発行日 1999年12月10日
Published Date 1999/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903876
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早産の予知または早産のハイリスク妊婦の診断は数多くの信頼できる研究結果により,有用性があることが証明されている.しかし,早産の予知が可能でも有効な予防手段は限られている.スクリーニングの対象に制限があるが,細菌性腟症の診断と治療は早産率を低下させることが証明されている(ACOG Committee Opinion.No.198,February 1998).しかし,胎児性フィプロネクチン測定(ACOG Committee Opinion#187, Sep—tember 1997)と経腟超音波による頸管長測定(NEJM 334:567,1996)による早産予知の有用性を証明する証拠が数多くあるものの,その後の有効な治療方法がないため,大幅な早産の減少にはつながっていない,考えられる介入方法としては,頸管短縮例に予防的頸管縫縮術を行うことである(表1)(Iams JD,私信,1997年11月).しかし,主に欧州を中心に12か国で行われた大規模な共同研究で,頸管縫縮術は3回以上の早産歴がある例にのみ有効であるという研究(BJOG100:516,1993)にみられるように,頸管縫縮術自体の有用性が明らかとはいえない.また,頸管長測定の落とし穴に留意する必要がある(表2,3).
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