誌上シンポジウム Discussion
妊娠と腎炎
小林 隆
1
,
田中 敏晴
2
,
加藤 暎一
3
,
矢島 権八
4
1東京大学産婦人科
2東京警察病院産婦人科
3慶応義塾大学内科
4日本医科大学病理
pp.574-581
発行日 1968年7月10日
Published Date 1968/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203910
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司会 どうもありがとうございました。以上で大へん興味深いそれぞれの御研究を聞かしていただきましたので,これからお話合いをお願いしたいと思います。私はこの問題については素人でございますので,皆様から充分にお話を引き出せないことを心配しますが,どうぞよろしくお願いいたします。
妊娠中毒症の本態は不明ですが,とにかくそれを純粋型,混合型に分類して考えられてきましたが,ただいまのお話を聞きますと,そういう考え方の中にも修正や訂正をしなければならない面がたくさんあることを教えられました。妊娠中毒症をcharacterizeしたりidentifyすることは,本態が不明な以上難しいわけですから,臨床的にはやはり今までのtriasによつてうんぬんする他はなかつたわけです。そういう点で矢島先生のNierenbiopsieを,臨床家がもつと盛んにやつてその所見からもう少し客観的に中毒症の分類をしなければならないことを感じました。先ほど言われましたように,純粋型と思つていても所見は混合型であつたり,あるいはfocalなものが隠れていたりするので,従来のように簡単には割切れませんね。矢島先生もう一度それらの点について…。
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