誌上シンポジウム 妊娠と腎炎
混合型妊娠中毒症をめぐる内科との接点
病理の立場から
矢島 権八
1
1日本医科大学病理
pp.567-573
発行日 1968年7月10日
Published Date 1968/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203908
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私が今日話しますのは,やはり混合型妊娠中毒症が中心であるが,その話に先だつて妊娠中毒症に現われる糸球体変化が非常に多彩であるということをまず第一に話して,全体的な妊娠中毒症の生検例における糸球体病像を理解して戴くということと,混合型といつても,妊娠中毒症が先行する場合と腎炎や高血圧の既往歴があるという場合ではかなり様子が違いますので,この2つの点につきまして話をいたしたい。
biopsyの材料がおもなものですが,日本医科大学の真柄産婦人科教室と東京警察病院の田中先生のところのものでして,1昨年の京都で行なわれた第6回国際病理アカデミーで講演したときまでの例が190例になり,これにはautopsy materialが6例入つている。その後更に少しふえているが,大体このような例数である(表1)。
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