連載講座 婦人科内分泌疾患のPSM的研究・2
内分泌疾患のとらえ方と治療方針
岡村 靖
1
Yasushi Okamura
1
1九州大学医学部産科婦人科学教室
pp.525-530
発行日 1968年6月10日
Published Date 1968/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203901
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産婦人科領域における内分泌疾患の診断,ならびに,治療に際して,一般に,まず,ホルモン負荷試験による臓器診断が行なわれ,次に,ホルモン投与による治療が試みられるが,ホルモン療法が必ずしも本質的な治療にならない場合が少なくない。例えば,神経性食思不振症(Anorexia nervosa)では無月経第2度を示す場合が多いが,ホルモン療法を行わなくても,心理療法で完治(自然にmensesが起こり,自然排卵が惹起される状態になること)せしめうるからである。
筆者は内分泌疾患の発症機序について,心理学,内分泌学および自律神経学の3方面から,系統的な考察を行ない,表1に示す新しい概念により内分泌疾患の把握を試みた。すなわちf1は精神的対応(psychogenic fitness),f2は身体的対応(somatic fitness),xは遺伝因子(genetic factor),yは環境因子(situational factor),tは時間因子(time factor),および,zは内分泌異常(enndocrine disorder)を示したものである。
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