症例
W.P.W.症候群の妊娠,分娩例
桜庭 衡
1
,
吉田 价男
1
,
小国 親久
1
Mamoru Sakuraba
1
,
Yoshio Yoshida
1
,
Chikahisa Oguni
1
1北海道遠軽厚生病院産婦人科
pp.317-325
発行日 1968年4月10日
Published Date 1968/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203869
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はじめに
最近は,重症妊娠中毒症などの妊娠と直接関連のある合併症が次第に減少のきざしをみせているが,これに代わつて,いわば純内科的疾患・代謝性疾患などの境界領域的な合併症が増加しつつあるようである。とくに,心疾患をもつ婦人の妊娠,分娩また産褥の管理は,日常遭遇する機会に比較的恵まれている。しかし,これらの心疾患を有する婦人が妊娠,そして経腟分娩を無事に終了しうるかどうかをあらかじめ判断するに足る正確な手がかりは,現在まだほとんどないといつてよかろう。
経腟分娩の可能性を判定するためには,心疾患別の症例を数多く検討することと,それによつて一応の判定規準を法則化していくことなどが,わずかに根拠となりうる。
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