呼と循ゼミナール
W-P-W症候群に伴う頻脈性不整脈の治療
中田 八洲郎
1
1順天堂大学医学部内科循環器
pp.1034
発行日 1976年12月15日
Published Date 1976/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202987
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W-P-W症候群に伴う発作性上室性急拍症,心房細動,心房粗動の治療に際しては,正常房室伝導系と副伝導路といった解部学的にも電気生理的にも異る性質を有する心房心室間の伝導路が存在するため通常の場合と異る若干の注意が必要である。第1にこの2種類の伝導系は薬物に対して同一の態度を示さないことがあるということである。たとえば,上室性急拍症が副伝導路を含むCircus movementによるものであれば副伝導路の伝導を抑制する薬物,たとえばprocaine arnideによって発作は停止するが,これが副伝導路の関与しない房室結節に限局したものであればprocaine arnideでは急拍症は停止せずdigitalisが奏効する可能性がある。逆にこのような事実があれば,急拍症の経路を決定する手助けともなりうる。
第2は副伝導路における心房→心室方向と心室→心房方向の伝導はequivalentではないということであり薬物に対する反応性もまた異る。
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