症例特集 新生児異常
Scaphocephalyの1例
藤原 敏郎
1
,
坂口 守彦
1
,
土井 良博
1
Toshio Fujiwara
1
1天理よろず相談所病院産婦人科
pp.239-242
発行日 1968年3月10日
Published Date 1968/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203856
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はじめに
頭蓋はその縫合の部位で,発育拡大するが,骨縫合が早期に癒合すると,その縫合の部位で骨の発育が阻止されて,頭蓋の著明な変形をきたしたり,頭蓋内圧が亢進して視力障害や,知能障害等の不可逆的な変化をきたす場合も多いといわれている。このような疾患を総括して,CraniosynostosisあるいはCraniostenosis頭蓋骨癒合症と名付けられており,今まで小児科や眼科の分野では相当数の報告があり,また最近では手術的治療もかなり行なわれるようになつてきた。しかし本疾患は不可逆的な障害発生の前に,出生後早期の発見,治療が必要であるにもかかわらず,産科学関係ではほとんど報告を見ない。
Craniosynostosisはその癒合する縫合の違いでいくつかの種類があるが,矢状縫合の癒合のため,前後に頭蓋が延長する舟状頭症Scaphocephalyの1例を最近経験したので報告する。
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