薬の臨床
ユベラSを鉄剤に併用した鉄欠乏性貧血に対する治療成績
金沢 義一
1
Yoshiichi Kanazawa
1
1郡馬中央総合病院産婦人科
pp.185-188
発行日 1968年2月10日
Published Date 1968/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203846
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はじめに
ビタミンEは1922年Evansによつて発見され, SureによつてビタミンEと命名された。最初は抗不妊ビタミンとして登場したが,最近では抗不妊のみでなく体組織の酸化環元系に関与する他,ある酵素系にも関係していることがほぼ確実となつてきた。臨床的には産婦人科領域においては習慣性流早産,不妊症その他諸種の疾患に有効といわれ,さらに循環器,神経,運動器,泌尿器,皮膚,眼,耳,口腔疾患などその応用領域はきわめて広い。さらに最近は海外において動物実験においてビタミンEがヘモグロビンの生成に関係があり,蛋白欠乏食による貧血がビタミンEの投与によつて治癒するという報告がみられる。
我々は妊婦貧血,非妊婦貧血に鉄剤単独投与とユベラSの併用投与の実験を行ない,若干の治験を得たので以下に報告する。
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