今月の臨床 早期子宮頸癌--今日の焦点
子宮頸癌の発生過程—臨床病理学的立場より
竹内 正七
1
Shoshichi Takeuchi
1
1東京大学医学部産婦人科教室
pp.13-22
発行日 1968年1月10日
Published Date 1968/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203822
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はじめに
子宮頸癌に関する限り,どの細鞄がどのような形態変化を示して発生してくるのかというfor-male Geneseについての研究は少なくない。頸癌は直達的で生検材料の得やすいこと,またその頻度の高いことなどの理由で,癌のなかではもつとも早くからこの方面の研究が行なわれてきているが,今世紀になつて上皮内癌(Ca.in situ)の存在が認識されるようになり,この方面の研究は著しく促進された。
このような研究は病理組織診断が癌診断における最終的決定権を失わない限り,早期診断という面から重要な意義をもつばかりではなく,他臓器の癌の発生過程を解明する上にも重要な指針的意義をもつている。
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