連載講座 産婦人科医のための血液学・8
妊娠と白血病
野村 武夫
1
Takeo Nomura
1
1東京医科歯科大学医学部第一内科
pp.653-657
発行日 1967年8月10日
Published Date 1967/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203748
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はじめに
近年,白血病の発生が逐次増加の傾向をたどつているのは衆知のことがらであり,これは本邦のみならず世界各国に共通して認められる現象である。一方,諸種抗白血病剤の臨床導入により,慢性白血病はもちろん,急性白血病症例の一部にも寛解状態をもたらすことが可能となり,このような症例では一時的にせよ平常の生活を享受でき,また生存期間も延長する。したがつて,白血病に罹患後妊娠したり妊娠中に発病する機会が増加していることが当然予想され,事実,本邦でも諸外国でも,妊娠と白血病の合併例の報告は次第に増していく傾向がうかがえる。
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